草津生まれ、草津育ち。草津川と共に人生を歩んできたと言われる大西さん。現在、草津川跡地公園の管理スタッフとして働きながら、くさねっこの取り組みの中心メンバーとして活躍されています。
仕事でインドネシアに単身赴任した3年間以外は、ずっと草津で暮らしてきた大西さんにとっての草津川、そして、新たに生まれ変わった草津川跡地公園への想いを伺いました。
大西さんにとっての草津川跡地とは
草津川は子どものころからの遊び場でした。川の水もきれいだったので泳いだり、チャンバラや草野球などもしていました。桜の季節になると芝居小屋ができて、漫才やのど自慢などが催され、地域の人たちの楽しみの場でした。また、上下水道が整備されたのは小学生くらいのころで、それまでは砂地でろ過された草津川の水を生活用水として使っていました。夏場でも13~15度くらいで、スイカを冷やしたりしていたのを思い出します。
草津川は天井川だったので、台風で非難したり、何度か洪水の被害にもあいました。半鐘のカンカンという音で非難したのを憶えています。
時代劇がはやっていた時代は、ロケ地としてよく撮影が行われていたのも記憶しています。馬を走らせるのにちょうどよかったのではないでしょうか。鞍馬天狗の舞台になっていましたね。学生時代は写生会など、クラスのみんなで草津川に来たこともありました。
草津川整備プロジェクトとの出会い
定年退職をして、何か地域のためになるような活動をしたいと思っていました。そのころ、草津川跡地プロジェクトの地元説明会があり参加したのです。慣れ親しんだ草津川に関連したものがあればぜひやってみたいと、説明会に来られたいた市の担当者にきいてみたら、ちょうど「くさねっこカレッジ」という取り組みが始まると教えてもらったのです。それが草津川跡地プロジェクトやくさねっこに関わる最初のきっかけでした。
くさねっこカレッジは、草津側跡地公園がオープンする前、その整備について市民の皆さんと一緒に考えていく「草津川跡地整備プロジェクト」の一環として、2015年に開催した全4回の市民講座。オープン後の草津川跡地公園で活動する主体の発掘育成を目指して、市民活動に参考となるような多彩なゲストを招き、草津川跡地公園での活動プログラムのアイデアを考えていきました。その頃に参加くださった皆さんが、今もくさねっこの取り組みを支えてくださっています。
市民活動や地域でのボランティア活動に参加すること自体が初めてでした。カレッジにはさまざまな世代の参加者がいて、とても自由奔放な雰囲気で、最初は戸惑いました。でも、カレッジでは「学ぶこと」、「知ること」を大切に進められていて、それにすごく魅力を感じました。中でも、まちあるきのプログラム(甲斐みのりさんがゲスト講師)は印象的でした。そんな目線でまちを歩いたことがなかったので、まちを観る視点が変化したきっかけになったと思います。
また、カレッジの後に開催されたシンポジウムでの山崎さん(studio-L代表)の話も印象に残っています。これからの公園はつくられた箱モノではなく、市民のみなさんがつくっていくもの。「学び」「遊ぶ」「楽しむ」ということを実践していくことが、自らの手で公園をつくっていくということになり、そんな楽しさや面白さなど、さまざまな角度からアプローチしていくことで、公園だけでなくまちづくりにもつながっていくというお話でした。
草津川跡地公園がオープンしてからの取り組みについて
公園がオープンした後の活動を試してみようと、オープン前にニワタスで開催していた社会実験「くさねっこDAY」では、活動をやることが目的ではなく、プロセスが大切だと感じていました。それが新しい出会いや、緩やかにつながるコミュニティをつくっていくからです。でも、オープンしてからの3年間はパフォーマンスが目的になってしまっていたかなと思っています。草津川跡地公園をアピールすることを最優先していたように思います。それも大切ですが、「学び」「遊ぶ」「楽しむ」を実践できるように、プロセスを大切に活動していければと、改めて感じています。
オープンしてからも春や秋の気候のいい季節の第3土曜日に「くさねっこDAY」を開催していました。サポーターの活動として、「くさねっこDAY」の会場に相談室のブースをつくり、これから活動に参加したい方たちへの窓口を開設していました。また、日頃、草津川跡地公園の受付業務をしていた時、JAZZ音楽をされている方が相談に来られ、くさねっこの加入をすすめました。とても素敵な方で、音楽仲間のコミュニティも広く、去年、残念ながら台風で開催できなかった「高校生フェスタ」の企画にもずいぶん協力いただきました。そんな新しい出会いが広がっていくことがサポーター活動の魅力だと思っています。
これから、草津川跡地公園でのJAZZ音楽会などをサポートできたら楽しいですね。
今後のサポーターの活動としては、「くさねっこ交流会」など、草津川跡地公園を中心に、誰もが普段着で集まれる場をつくっていくことに力を入れていきたいです。